2冊目 「海の歴史」 ジャック・アタリ
「海の歴史」 ジャック・アタリ
概要
前半は海の歴史について。
これまでの世界の歴史の中でいかに「海」という場所が重要であったかを述べている。著者がフランス出身であり、フランスが世界の歴史の中でなぜイギリスやアメリカに甘んじて世界の覇権を取ることができなかったのかをフランスという国の海への見方の甘さから論じている。
後半は「海」の重要性について。
私たちの生活と海の関わり。人間の活動による海の汚染。海の環境を保全させるための施策。未来の海の重要性。これらに焦点を当ててジャック・アタリ氏は現在の人間の海に対する傍若無人な振る舞いを非難している。
感想
家の近くに「海」があり、そこでよく本を読んでいる私からすれば、「海」という場所は人一倍私にとって身近であり、そこでいつも見ている現在の景色が10年後では見れなくなるかもしれないと考えると他人事ではないと思う。
人間だけでなく全ての生き物の先祖は海から派生しており、万物の母のような存在である「海」を子である我々人間が傷つけるのはどこか間違っている気がしてならない。
私たちが今、「海」に対して行っている行為の数々、そして、これからの人類が「海」という素晴らしい環境を永遠のモノにするためにしなければならないこと。それに気づかせてくれるのがこの本ではないか。
前半部分は歴史の話が長く続くので地理や歴史が苦手な方は前半部分を飛ばして、後半部分の現代にフォーカスをしている文章を読むのが良いかもしれない。
雑談
「海」というものは、魚介類という私たちの食生活になくてはならないものを提供してくれるだけでなく、砂浜やサーフィン、ダイビングといった日々の生活に潤いを与えてくれる娯楽の時間をも提供してくれる。
表紙が青色で海の波を表すようにうねうねざらざらしてて美しい!!